主な利用シーン
ショートステイを利用するのはどんな時?
利用目的が定められている
要介護者を一時的に預かるショートステイの需要が年々高まっています。ショートステイは、要介護者が宿泊機能を持つ施設に短期間入所し、日常生活を送るために必要な介護を受けられるところです。ですが、誰でも利用できるわけではありません。介護保険制度では対象者の条件を「要介護者の心身の状態や症状が悪い場合」「家族が病気や出張、冠婚葬祭で介護ができない場合」「家族の身体的・精神的負担を軽減する」と明確に定めています。在宅介護の場合、一時的とは言え、要介護者を施設に預けることにためらう場合も多いのですが、介護をする側の人が健康な状態でなければ共倒れになってしまう可能性があります。介護を一生懸命頑張るのも良いですが、頑張るあまり追い込まれてしまう可能性もあるので離れる時間を持つことも大切なのです。家族が介護に疲れた時に気兼ねなく休めるようにサポートするのがショートステイです。
具体的な利用シーン
ショートステイは最大で連続30日まで利用できますが、1ヶ月の約半分、15日を超えないのが望ましいと言われています。そのため「月に何日間」と期間を決めて利用する人が多いです。例えば、毎月中旬の1週間利用する、仕事が忙しくなる月末から月初にかけて2週間利用する、週末だけ利用する、など自分たちの生活と介護のバランスを考えながら利用しているようです。
また、子どものいる家庭では学校の夏休みや冬休みなど長期休みの時に利用しているケースもあります。通常の生活とはサイクルが異なるため、介護と家庭と育児でパンクしてしまうからです。やるべきことが一度に重なってしまうと、何を優先すればいいのか分からなくなってしまうため身体的にも精神的にもつらくなってしまいます。それを避けるために要介護者をショートステイに3週間ほど預けるなどして「介護の割合」を減らしている人もいます。
ただし、ショートステイは思い立ってすぐに利用できるわけではありません。連続して4日以上利用する場合はケアマネジャーが作成するケアプランが必要ですが、あらかじめどのような時にショートステイを利用するか分かっていれば計画的に申し込むことができますし、介護中心の生活から離れて普段できないことにチャレンジする余裕も生まれるでしょう。
改めて気づく
「介護ありき」の生活が続いていると忘れがちになってしまいますが、必ず介護を最優先にしなければならない理由はありません。頑張り過ぎて共倒れになってしまっては意味がないからです。まずは介護する側の家族の健康を第一に考えましょう。普段の介護生活の中では気づくことができませんが、ショートステイを利用することで、そのことに改めて気づくはずです。